少し前になりますが、池袋のやおら料理店さんにて、3/17に開催した「イカの解剖×フレンチ」の会のレポートです。参加者の皆様ありがとうござました!
佐野がイカを解説しながら解剖するのをみんなで見る
イカを使ったフレンチを中島シェフが提供する
たったこれだけですが、お料理の素晴らしさもあって皆さん満足されたようでありがたい話です。
ここからは、やおら料理店の中島シェフからのお料理解説と共にお届けします。
富山県産が丁度出始めたので丸ごと繊細な味をお楽しみいただきたく、蛍烏賊は少量のヴィネグレットでマリネし、タブレ(クスクス)と合わせて。 タブレは同じ産地の鰤のアラから取った出汁で戻し、縮み小松菜、蛍烏賊トマト煮込ペースト、ヴィネグレット、オリーブ油、塩で味付けました。
新鮮なスルメイカを捌き胴とエンペラに塩をして冷蔵庫で一日乾かします。肝、精巣(少量取れたので)も網の上に乗せて塩をたっぷりかけてマリネ。 翌日、肝の皮を切り中身を取り出し飾り切りした胴、エンペラと合わせてアップルヴィネガー、白醤油、オリーブ油を混ぜ合わせます。
ゲソはビールで作った衣と合わせてフリット。
南フランスの港町セート由来のフランス郷土料理です。サフランライスを合わせるのが通常ですが、ヤリイカの内臓の出汁と別で取り置きしていたイカ墨(アオリイカ、墨イカ等)、タブレでも使った鰤アラ出汁、ヤリイカ内臓も入れて炊き上げたピラフです。ピラフとは本来炊くと言う意味があるのです。ロート、胴、ゲソの順番で別々に炒め、ソースと合わせて順にお皿に盛り付け最後ソースをかけています。
ソースは新玉ネギを優しく炒めブイヤベース出汁(魚アラのみ使用)トマト、白ワイン、少量のクリームとバターで仕上げます。
新鮮なお刺身でも食べられるヤリイカを使っているので、煮込料理ですが、あえて炒め煮にして食感もお楽しみいただける様にお作りしました。
食べるのは一瞬だけれど、作るのにこんなに手間暇がかかっているとは。そうとは知らずに食べても感激しましたが、知ってから味を反芻すると素晴らしい思い出に。
美味しくてお腹いっぱい! 第二回開催の準備も進んでいます。 「第一回なので、正当な料理、イカを全てに感じることをテーマにお作りしました」とのことなので、第二回は変化球が出るかもしれません。
ちなみにデザートはチョコレートムースでした。イカは入っていないよ。