年の初めは歩道橋からー本蒲田歩道橋ー

新年あけましておめでとうございます。
旧年中、この何の役にも立たないブログを読んでくださった皆様、ありがとうございます。 今年はもっとライトに、日記のように更新したいと思っています。どうぞよろしく。

「歩道橋もうで」をしよう

さて、新年と言えば初詣だが、私が詣でるのは神社仏閣ではない。歩道橋である。

2019年、平成最後の元日に向かったのは蒲田。
「いいかんじの歩道橋がある」というさのくに氏からの情報を受け、蒲田にあるつけ麺屋で元日限定メニューを食べるついでに歩道橋を拝みに行くことにしたのだ。

神社へ参るわけでも帰省するわけでもなく、まったく正月らしくない理由で元日に出かけるのはなんだか悪いことをしているみたいで楽しい。 こういうタイプの「悪そうなこと」、今年もどんどんしていきたい。

つけ麺で一杯になった腹をさすりながら環八沿いに西から東へ蒲田陸橋を越えると目的の歩道橋が見えてきた。



ふむ。確かにこいつはなかなかいい。三脚の歩道橋だ。
最近、自分の好きな歩道橋のパターンが分かってきたのだが、多脚(階段のことを勝手に脚と呼んでいる)であることはそのうちの一つである。

地図で上から見るとこんな感じ。赤く塗ったところが今回の歩道橋だ。
環八を垂直に横断する橋と、駅前へと向かう道路を斜めに横切る橋が合体している。

見上げると「塗装記録表」という表記が見える。2012年の2月に中村塗装という会社が塗装をしたらしい。クリーミーな薄い水色。歩道橋の色って誰がどうやって決めるのかな。

本蒲田歩道橋

南側の階段から登ってみよう。

あの「蒲田行進曲」でヤスが転がり落ちた階段・・・ではない。

階段の一段目の手前に、レンガ風ゾーンがある。高さ調整のためなのかな。なぜレンガ。よく踏まれる場所は摩耗のせいなのかレンガ色が良く出ている。

階段右側には歩道橋の「お名前プレート」がついている。「本蒲田歩道橋」くん。2019年一つ目の歩道橋は君だよ。出会えて光栄です。

このお名前プレート、歩道橋ならどれでもついているという訳ではない。名無しの権兵衛もたくさんいる。 本蒲田くんみたいなアクリル板っぽいお名前プレートは比較的よくみるが、他にも金属製っぽいのやら手書きっぽいのまで色々。造った会社によるのか、地区によるのか今のところは良く分かっていない。

このようなお名前プレートが付いている場合は、反対側の階段にひらがなver.のプレートが付いていることが多い。私はそれを確かめる瞬間がたまらなく好きである。 「ああきっと、むこうの階段にはひらがなのやつが付いているんだろうなぁ。ふふ。」と階段を登りながらニヤついている。

橋の部分の地面は緑色。この材質?の名前が良くわからなくて表現できない。誰か教えてください。物を知らなすぎる、私。



歩道橋の南側から北へ向かって見渡した様子。
西側(左手)のマルエツに歩道橋が接続していそうにみえて、していない。フェイント。



歩道橋それ自体も大事だけれど、歩道橋から見る景色も私にとっては評価ポイントの一つだ。 自分の下を車や電車が通っていくのを眺めるのは気持ちがいいよね。

東側を眺めたところ

西側を眺めたところ

歩道橋の西側に見える蒲田陸橋へ向かって、環八通りは上り坂になっている。空へ向かって車が消えていくように見えるから、上り坂は好きなんだ。蒲田陸橋の青いボディも堪能できるし、景色の良さは西側に軍配かな。 ってだれもそんなこと気にしてないんだろうけど。

さて、次は先ほど上った階段のちょうど向かい側の階段を覗いてみようかな。

こちらの階段は住宅のすぐ近くにあるためか、北側に全面的に目隠しがついている。立地の関係で階段が少し曲がっているところでまいける的には好感度アップ。
好きな歩道橋のパターンその2、「いびつさ」に該当するから。判を押したように同じ構造の歩道橋より、その道、土地に合わせて施工者が工夫した跡がみられる歩道橋が好きなんだ。

続いて、北西に伸びる橋の部分、行ってみよう。
やっぱり住宅に面している側は、背の高さ以上の目隠しがついているな。(画面右)

排水溝は丸型。たばこ捨てちゃダメだよ。

南側を眺めたところ。交差点の様子とそそり立つ団地が良く見える。

北側を眺めたところ。蒲田駅へ向かって次第に賑やかになる大通りが見渡せる。

結構のんびり写真を撮っていたけれど、人が渡ってくる気配はない。
元日に歩道橋を独り占め(さのくに氏もいるけど)できて満足だ。とはいえ、こちら側の橋は少し細くて、長居するにはあまり居心地が良くない。(歩道橋の上でのんびり酒でも飲めたら、とつい妄想してしまう。)
元旦だからなのか誰も渡っていなかったけれど、普段はある程度人通りがありそうだし、酒飲むのは難しいかな。

さあ、三基目の階段を降りるとしますかね。
お待ちかねの「お名前プレート」ひらがなver.はあるのか。

マルエツを横目に下る階段。

階段って何枚撮っても絵になると思ってしまうのは私だけなのか。

あったーー!
ひらがなで書かれるとなんだか力が抜けちゃう。このフォントがまたいいんだよな。お名前プレートだけで写真集でも作ろうかしら。



北西側から見た全体像。歩道橋を見ると湧き上がるこの気持ち。特に誰とも共有したくはない。



かくして、2019年、歩道橋初めは「本蒲田歩道橋」にて果たされた。
帰宅後に調べてみると、この歩道橋は新年1つめの歩道橋に正にふさわしいものであることが判明した。本蒲田歩道橋が架かっている環八通りには、ここから東の先の羽田まで、一つも歩道橋がない。 つまり、この本蒲田歩道橋こそが、環八通り東端、はじまりの歩道橋だということである!
1年のはじまりの日にはじまりの歩道橋。こりゃ縁起がいいや。

今年もこの調子で、よい歩道橋に出会えますように。この国には八百万の神がいるというのだから、歩道橋の神だっているだろう。歩道橋の神よ、どうぞよろしく頼みます。

今回の歩道橋「本蒲田歩道橋」

  • JR蒲田駅より徒歩6分
  • 「大田区役所入口」交差点
  • 東京都大田区蒲田本町1丁目1

本蒲田歩道橋付近のスポット

  • 煮干しつけ麺 宮元

歩道橋へ行く前に訪れたつけ麺屋さん。
ものすごくつけ汁が濃い煮干しつけ麺を出す店として有名。味も良い。 実はそんなに本蒲田歩道橋とは近くはない。(駅の反対側)。まあ、同じ蒲田ということで。

tabelog.com

2019年元日限定の、超極濃烏賊つけ麺。イカが濃くてめちゃめちゃうまかった。普段は非常に濃い煮干しつけ麺を出すお店です。