京急蒲田東口の構造物は歩道橋なのかペデストリアンデッキなのか

元日から蒲田で歩道橋初めをした話を書いたが、実は同日、もう一つハシゴしていた。
京急蒲田駅の東口にある大きな歩道橋(?)である。(?)については後ほど説明する。



ここは1年と少し前、第2回Webメディアびっくりセールをひやかしに、大田区産業プラザPioを訪れた際に発見した。上からの眺めがとてもよくて気に入ったのだが、前日に自分が出演したタモリ倶楽部のパブリックビューイングがあり寝不足気味で、あまり集中して観察できなかったのが心残りだった。 いつかまた来てやるぞと心に誓っていたので、実現できて嬉しい。

上から見るとこんな感じ。赤い部分が今回の歩道橋(?)だ。
3つの橋と4つの脚(階段)からなり、北側の橋と南側の橋は第一京浜をまたぐ形で架かっている。北側の角の部分は京急蒲田駅と連結している。実は、この歩道橋(?)を再訪したかったもう一つの理由が、この「駅と連結している」というところにあるのである。

歩道橋とペデストリアンデッキ

話をスムーズに進めるために、皆さんに歩道橋マメ知識をお伝えしておく。興味ないだろうと思うが、そんなに長くないのでヒマな人はついてきて欲しい。

「歩道橋」と似た構造物で、「ペデストリアンデッキ」というものがある。デッキと言ってもカードゲームのデッキではない。Wikipediaを参照すると、両者は下記のように定義されている。

歩道橋

横断歩道橋は、交通量が特に多い道路を跨いで架けられる橋で、車両と歩行者との交通事故防止の観点から必要に応じて設置される交通安全施設である。

ペデストリアンデッキ

ペデストリアンデッキは、広場と横断歩道橋の両機能を併せ持ち、建物と接続して建設された、歩行者の通行専用の高架建築物。略称はペデ、ペデデッキ。道路の付属物である横断歩道橋とは区別される。

ちょっと文章ではイメージしづらいかもしれないが、都内でいうと新宿西口の小田急ハルク前のペデストリアンデッキ、上野駅東口の首都高の下をくぐるペデストリアンデッキなどは渡ったことがある人も多いのではないか。あの辺を思い浮かべて欲しい。

歩道橋は単に道路を渡るための橋、ペデストリアンデッキはそれに加えて建物と建物をつないだり、利用者数が多い駅などで人が利用できる場所を拡張するという役割も担った構造物、と言う感じだな。 なんて詳しそうに言ってみたけれど、私も最近知ったのだ。歩道橋のことは好きだけれど、正直全然詳しくない。

そんな私でも、パッと見ればその差が分かるくらい両者は違うのだが、この京急蒲田東口歩道橋(?)は、どうも一見しただけではどちらなのかわからない。 以前訪れた際は歩道橋っぽい部分の印象が強かったが、駅と連結しているのでペデストリアンデッキのような気もするし・・・・。記憶もあいまいで気になって仕方ないので、この機会にもう一度見ておこうとやってきたワケである。

・・・興味ないよね。そうですよね。そうだと思うんですが、ここは私の好きなことを書く場所なので、好きなようにやらせてもらいます。

見れば見るほど、どちらか悩む

そういうわけで、散々「歩道橋(?)」と呼んできたが、この京急蒲田東口の構造物は私の中でまだ「歩道橋」と「ペデストリアンデッキ」の間で揺れている。

こいつがなんなのか、じっくり観察するぞ。

京急蒲田駅の東口(北西の角)からスタート。
うむ。この感じはとてもペデストリアンデッキ(以下、ペデ)っぽい。何しろ駅とつながっている。よく考えると、そもそもペデと歩道橋の明瞭な境目って何だろう。駅とつながっていれば100%ペデなのか、「駅とつながっている掘歩道橋」と言うのもアリなのか。もやもやとしながらも、あくまで感覚で見ていくことにする。

階段を上がって外へ出たところ。北側の橋は広い橋幅にルーフがついていて、やはりペデらしさがある。 駅の反対側、西口にあるペデストリアンデッキ(こちらは明らかにペデ)とタイルが同じだしな。ただし、手すりや欄干の様子は西側とは違っているようだ。

南側の橋へ続く、西側の橋から渡ってみよう。
橋の欄干に工夫があって、横から見ると半円状の模様が現れるようになっている。イイね。こういうディテール好きだ。

視覚障害者誘導用ブロックがあったり、排水溝の形などをみると、やはりペデっぽい。 手すりも2段になっていて豪華。しかし、ペデにしては橋幅が狭い。

南西の角まで来た。自転車用スロープがついている豪華な階段。
階段のふちやスロープのふちはタイルの色が変わっていて、ちょっとしたおしゃれ心を感じる。この部分だけではペデとも歩道橋とも判断がつかない。

この欄干に埋め込まれているタイプの灯りは、渋谷区の何基かの歩道橋で見かけた。やっと現れた歩道橋らしさ。でももしかしたらペデにも良くある灯りなのかもしれない・・・。実はペデにあまり興味がないので、そこんとこ、よく見ていないのだ。

南側の橋を渡る。
欄干の半円模様が影になって映って素敵だね。橋幅は西側の橋と比べて少し広いが、ペデとしてはまだ狭い感じ。大きめの歩道橋くらいかな。なんちゃって、言ってることはすべてテキトーである。テキトーな愛があってもいいじゃない。

この南の橋からの眺めが、私はとても気に入っている。
まず北側からは、大きく弧を描きながら走る京急空港線を眺めることができる。特に電車が好きなわけではないのだが、長い乗り物がカーブを走る様子はなんだか格好いい。

そしてこの歩道橋(?)の一番好きなポイント、南側の景色がこちらだ。
第一京浜が立体交差になっている。元旦の写真なので全く車が通っていないが、以前訪れた際はトンネルからどんどん車が飛び出すように出てきて、それを眺めるのが何とも楽しかった。前方の空が開けているのも気分がいい。欄干にもたれながら一杯やりたい。

南東の階段を下りて見上げた様子。
この佇まいは歩道橋って感じなんだよなあ。なんというか、「橋」感がある。見れば見るほど分からなくなってくる。はっきりした基準を知らないので当たり前なんだけど。勝手に観察して勝手に悩んでいるこのひとときを大切にしたい。

東側には橋がないので、地上を歩いて北東の角へ。
おお、エスカレーターが設置されている。これは強烈なペデ感! ココだけみればペデであることを疑いもしないだろう(あくまで個人の感想です)。

階段を上って左側に、突如現れた謎の空間。
これはなんなんだ。何のためだ。形も広さも中途半端。向かいのPIOを眺めるためか、はたまたバスターミナルを眺めるためか。「私が乗るバス、来てるかな~」みたいな?
ペデは広場的な役割も担っているので、この謎空間の存在はさらにこの構造物のペデ感を高めていると言える。

結論やいかに

さて、これで一通りこの歩道橋(?)を一周した。
私の心証としては、北側の橋だけみるとこれはもうほぼペデと言っていいのではないかと思う。 駅との直結、広めの橋幅にルーフ、エスカレーター、エレベーター完備に謎の空間。地面部分にタイルが使われているのもペデ感が強い。

しかし、西側と南側の橋は北側と同じテイストのデザインを引き継ぎながらも、狭い橋幅、道路に架かるその佇まいなどが「広場」というより「橋」な感じが強い。私はこれを歩道橋と呼びたい。

よって、この京急蒲田東口の構造物は限りなくペデ寄りの「ペデ+歩道橋」合体型構造物と私は結論付けた。 まぁ、ほんと勝手な解釈なんですがね。でもなんだかすっきりしたよ。

まさかのどんでん返し

さて、この件をブログに書くかと、さっとWebで調べるとこんなPDFが出てきた。

国道15号京急蒲田駅東口、歩道橋一括架設のお知らせ

http://www.ktr.mlit.go.jp/kawakoku/news/pdf/141117_hodoukyoukasetu.pdf

「歩道橋」架設のお知らせ、とある。
え!歩道橋だったの?国道交通省からのお知らせだし、間違いないんだろう。多分。あんなに悩んだのにあっさり正解が見つかってしまった。

という訳で、京急蒲田駅東口のアレは、「歩道橋」だったのでした。ちゃんちゃん。

今回の歩道橋「京急蒲田東口歩道橋」

  • 京急蒲田駅東口より直結
  • 東京都大田区蒲田4丁目-49



▲行きがけに見つけた昭和感じるベンチでお別れ。