生田根岸歩道橋(跨線橋)とおじさんがいる公園

少し前のエントリーで書いたとおり、歩道橋の記録を少しずつ残そうと思う。 http://www.sepio.tk/2018/03/06/204129www.sepio.tk

新しい歩道橋を見つけると大抵は嬉しいものだが、 この日出会った歩道橋は嬉しいというより早く渡り切りたい不気味な雰囲気がする橋であった。

生田根岸歩道橋は、根岸陸橋に沿う形で世田谷通りを南北に横断している。
まずは陸橋下へ入る。

カーブミラーの手前から陸橋下へ入れる

金網を超えると両脇が公園になっており、砂場やブランコなど一通りの遊具がある。
陸橋の下なので日差しを避け、雨でも遊べる便利な公園・・・なのかもしれないが、誰もいなかった。
遊具を撮ろうとしたら、どこからか奇妙な歌のようなものを歌う声が聞こえてきて、公園というよりホラーアトラクションに見えてきた。

暗い公園て怖くないですか

ここが歩道橋のはじまり(或いはおわり)。
今日は南側から北側へ渡る。

こんなにワクワクしない歩道橋入り口があるなんて

歩道橋の名前プレートが付いている。
君の名前は「生田根岸歩道橋」というんだね。

登りつつ公園の遊具を撮影していると、先ほどから聞こえている歌声とも叫びともつかぬわめき声が近づいてきた。 チラ、と目を遣ると頭がボサボサのおじさんが自転車に乗ったまま歌いながら(多分、歌だと思う)スロープを駆け下りてきた。声の主、あなたでしたか。

目が合ってしまった。怒っているの泣いているのかわからない表情から 目を逸らすタイミングが掴めずに、すれ違う瞬間までずっと見つめ合ってしまった。

歩道橋から降り切った後も彼は狭い公園内を立ち漕ぎでぐるぐると周りながらこちらへ視線を投げるので、いよいよ恐ろしくなり上へ急いだ。

怯えながら撮影したブランコ

少し登ってみると、なんだ、人がたくさんいる。後ろからも登ってくる。
人が写らないように撮影するのに苦労するくらい。

自転車やベビーカー、車椅子にも優しい緩やかスロープ

空が見えて少しホッとする。
ちょうど坂を上がりきったところで、はっきりと歩道橋の様子が切り替わっている。 赤茶に塗られた比較的新しい柵から水色で背が高い柵へ。
赤茶の方は後から継ぎ足しされたのかしら。

床部分に継ぎ目が見えるぞ

根岸陸橋の少し下を沿いながら進む。
水色手すりゾーンは地面と水平なんだな。

赤茶の床と古びた水色の組み合わせが結構好き

あっという間に水色ゾーンは終わってしまい、先ほどのスロープと同じ赤茶の柵へ切り替わる。
ここで小田急線の線路と川を越えてゆく。

あんまり生き物はいなそうな川だなぁ。川の名前分からず。

となりの根岸陸橋と見比べると傾斜が良くわかる。
頭の上を車が走り抜けてゆく気配を感じる。

いつも思うけどこの落書きってなんか読み方あるのかな

傾斜が終わったあたり、世田谷通りを渡る手前に降り口があるけれど、今はスルー。
後で戻ってこよう。

左右2つの選択肢があるのが気になりますね

世田谷通りを渡るところ。
根岸陸橋の交差点の下を間近でくぐることができる。

陸橋の裏側にお住まいの鳩に挨拶しておいた

世田谷通りを渡りきると今度は上り坂。
左脇にまた降り口があるが、ここも今は流してまっすぐ行ってみよう。

あれれれ。歩いていたらいつの間にか普通の道に出ていた。
こちら側の歩道橋の端はシームレスに歩道とつながっているのか。
ここで踵を返して、先ほどおあずけにしておいた降り口を見に行く。

遠くにもう一つ、歩道橋が見える。あれはいつかのお楽しみ。


これはついさっきスルーした北側の降り口を上から撮影したもの。
カップルが仲良さそうに小突きあいながら降りて行った。 この二人が写っているからまだ良いものの、薄暗いわ、落書きだらけだわ、中心部に謎の掘立小屋があるわで、夜は絶対一人で下りたくない感じの道である。

もうちょっとこう、陽気な雰囲気にならないものか

さて、更に戻って、今度は歩道橋の真ん中あたりの降り口。
ここは階段かスロープか選べるようになっている。 設計者は誰にでも使いやすいよう、配慮したんだろうな。それは素敵なことだけれど、もう少し、雰囲気についても考えて欲しかったな。と勝手なことを思うなど。

さて、私が選んだのはスロープ。階段よりこっちの方が冒険感がありませんか。
大きく弧を描くスロープの中央にはまたしても公園がある。 今度こそ怖い思いをせずに写真が撮れそうだ。

直線より曲線に魅かれてしまうのは私だけではないはず

と、遊具へカメラを向けた私の心臓は、またしても嫌な跳ね方をした。
人がいる・・・。
全体的に彩度の低い服を着たおじさんが、ワンカップで一杯やっていた。 お邪魔してすみません。 またしても目が合ってしまったので、写真はこれしか撮れなかった。 しかも歩道橋の出口へ近づくにしたがい、おじさんに近づいていく形になるので気まずいことこの上ない。

おわかりいただけただろうか。右端ブランコの向こう側に人影



なんだかどっと疲れたので、今回の歩道橋観察はおしまい。
また会う日まで、さようなら。次は遊具で誰かが遊んでるところをみたいよ。