おふくろの味、おやじの味、色々あるけれど、故郷を思い出し、懐かしさを感じる味って、皆さんにとって何ですか。
まいけるにとってはステーキだ。
日曜の朝食は、大皿に無造作に重ねて盛られた5枚のステーキ。大抵、父が2枚、私が2枚、母が1枚、取る。肉は安くて筋張った赤身のオージービーフ。 それに手作りのサルサ(ソース)をかけて食べる。
15分もしないうちに平らげて、気が向けば父が豆を挽き、淹れたコーヒーを飲んで朝食終了。父は3度に1度は、エスプレッソを淹れて、ガンガンに砂糖を投入。エスプレッソを飲んだ後の溶け残りの砂糖にグラッパを混ぜて、サァーっと飲んだら昼過ぎまでソファですっかり寝てしまう。
そういうのが我が家の日曜日であった。肉が安く手に入った週は大体ステーキ。 久しぶりに食べたくなったので、作ることにした。
まずは肉。 実家ではもっとペラペラの肉だったが、奮発して分厚めの肩ロースをその辺のスーパーで購入。調理法も折角だから工夫しよう。
常温にしておいた肉に塩をして、袋に入れて空気を抜く。塩の量は肉の重量の0.8%。今回は500gの肉だったので、4g。
勝手に一定の温度を保ってくれる調理器、ANOVAを使用。 写真の温度は誤りで、実際には56度で2時間、放っておくだけ。
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その間にサルサを作る。まいけるの実家では、ステーキに合わせるのは2種類のサルサ。
あまり日本では馴染みがないかもしれない。それもそのはず、これは南米コロンビア仕込みの食べ方だ。 両親は仕事の関係で13年ほどコロンビアに住んでおり、まいけるもその間に生まれたので、 5才まで、あちらで肉とジャガイモばかり食べて暮らしていた。
そのせいなのか何なのか、母は和食はあまり作らず、コロンビア料理、スペイン料理、中華料理、フレンチなどが私のおふくろの味となった。 今回のレシピはまいける母のレシピである。
アヒの材料
- トマト大・・・1個
- 長ネギ・・・1/2本
- パクチー・・・1パック
- ハラペーニョ・・・好きなだけ
- 水・・・100cc
- 塩・・・小さじ3/4
生の唐辛子が手に入らなかったので、ハラペーニョタバスコで代用した。量は適当。
すべての材料をみじん切りして、混ぜるだけ。超簡単。 しばらく時間を置いた方が味がなじむので、食べる1時間前くらいに作るのが良い。 まいけるは生のネギ類が苦手なので、ネギだけ30秒電子レンジで加熱した。
ワカモレも作ってしまおう。
ワカモレの材料
- アボカド・・・2個
- トマト大・・・1/2個
- たまねぎ・・・1/2個
- パクチー・・・少々
- ハラペーニョ・・・好きなだけ
- にんにく・・・ひとかけ
- レモン汁・・・小さじ2
- 塩・・・小さじ1/2
- こしょう・・・適量
こちらもハラペーニョが手に入らなかったので、ハラペーニョタバスコで代用。
アボカドはねっとり熟れているものが良い。フォークでよくつぶし、色止めにレモン汁を混ぜておく。にんにくはすりおろし、その他の野菜はすべてみじん切りにする。
そして、混ぜるだけ。味は塩コショウで整える。長く置くときはアボカドの種を刺しておき、ぴったりラップをすると変色が防げる。 同じく、生のネギ類である玉ねぎはレンジで30秒加熱。硫化アリルがダメなのよ。
そうこうしているうちに肉があがったようだ。
煙が出るほどキンキンに熱した鉄のフライパンに多めのサラダ油をひいて、美味しそうな焼き目がつくまで焼く。
5分ほど肉を休ませてから切り分けて、完成。ソースも一緒に並べよう。
ソースを作っておきながら、一口目はトリュフ塩。んまーい。火の通りも良い感じだ。
ワカモレで食べてみる。そう、これこれ。 肉が見えなくなるほどどっさり(写真の2倍くらい)乗せて食べるのがまいける流。 アボカドのコクがあるので、あまり旨味のないパサパサ肉にぴったりだ。 今回の肉はそのままで十分美味しいので、ちょっともったいない感じもする。
続いて、アヒ。さっぱり。 脂っこい肉にはこちらが最適。 爽やかなパクチーの香りとトマトの酸味で口の中をリセット。 シャキシャキ感も楽しい。
余ったサルサは肉類になら何にかけても良い。 ワカモレならトルティーヤにつけたりしても美味しいし、アヒはエンパナーダ(肉入り揚げパン的なもの)にかけるとたまらん。 次はもっと安い肉で試してみるかな。その方がサルサの有難みがありそうだ。食後のコーヒーは面倒になったのでパスした。
それでは、トルコの塩ふりシェフの物マネをするさのくに氏でお別れ。 物マネの完成度が低い。印を結んでいる似非菩薩のようだ。