お正月になると、Twitterのタイムラインはお雑煮やおせちで賑わう。これを見るのが毎年の楽しみだ。特に雑煮は日本各地でまるで様子が違って、異文化のワクワクを味わえるので特に力を入れてチェックしている。
今年も年始はごろ寝しながらタイムラインを眺める怠惰な生活をしていたのだが、ひとつ見逃せない情報が流れてきた。「熊本の雑煮はするめで出汁をとる」。えっそうなの?
ラーメンの隠し味などでするめを使うという話は聞いたことがあるが、雑煮で使うところがあるとは。イカ好きなら、これを年始に食べないと!
詳しい作り方はいずれ熊本の人に習うとして(アテはない)、とりあえず有りもので作ってみるか。
するめならたくさんあるんだ。正月飾りを作った時の余りがね。そのほか、家にあった乾物は、鰹節、昆布。鰹節は何となくするめの風味を邪魔しそうな気がしたから、今回はご遠慮いただいた。
これで雑煮2人前とすることにして、ざっくりお椀2杯分の水を注ぐ。時間があったので、なんとなくこのままで一晩おいてみることにした。
翌日、昼ごはん用にするめ雑煮作りを開始。 すっかり正月ボケで調理中の写真を撮るのを忘れたんだけどね。
作り方はこんな感じ。
するめと昆布ごと火にかけ、沸騰直前で昆布だけを取り出す。
一口大に切った鶏もも肉とを入れて火が通す。酒、塩、醤油で味を調える。
お椀に盛っておいた焼餅、ゆでた小松菜、刻んだゆず皮の上に注ぐ。
仕上げに三つ葉を飾る。
ちなみに、本物の熊本のお雑煮の作り方は一切知らない。勘で作ったよ。 というわけで、できました。じゃーん。
おつゆをぞぞぞっと啜る。 むむ。味見の時にもちょっと思ったのだけど、じっくり味わってみてもやはりそうだ。なんか懐かしい。舌に馴染みのある味とでも言おうか。するめ出汁なんて作ったことないはずなのに、昔から自分の料理レパートリーにあったような。これがおふくろの味だと偽の記憶を植え付けられたらすんなり信じそうな。
前にイカの煮干しでラーメンを作ったことがあったけど、それとは全然違う味わい。イカの煮干しは内臓ごと入っているから、もっと強くてワイルドなんだよね。するめ出汁はスッと澄んでいてしみじみした旨さ。
餅との相性も当然よくて、すいすいと吸い込んじゃう。あとひく感じ。年末に暴食して疲れた胃にも優しいし。するめ雑煮、ありだな。
イカが好きとか関係なく美味しかったー。
これからの雑煮の定番に入れてもいいかな、と思ったお正月でした。