磯ダコ捕りツアー2017粟島 リベンジ編

前回のエントリーの続きです。

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タコ捕り団の朝は早い

磯ダコ捕り大会では1匹もタコを捕ることができなかった私。
チャンプとそのお友達の方々が、翌朝にまたタコを捕りに行くということなので、ついて行くことにした。 タコは昼間よりも朝や夕方の方が捕りやすいらしい。ここで確実にリベンジをしたい。

出発時刻は午前5:00。起きられないかと思ったが、目覚ましも鳴らさずに4:30ピッタリに起床した。 これもタコへの愛ゆえかな。 チャンプ含め、他のメンバーの方も支度バッチリで、真っ暗な中、宿を出発。 タコ捕りの道具は与平さんからお借りした。

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日も上りきらぬうちから、海岸へ向かう。

スパイクとアスファルトが擦れて、歩くたびにザッザッザッと音がする。まるで軍隊のよう。 今日は捕れるかな。捕りたいな。竿を握る手にも力が入る。

昨日とは少し離れたポイントから、タコ捕りを開始。素人の私にはどの辺りが適切な場所なのかサッパリわからないので、チャンプの案内は大変ありがたい。 今日の場所はちょっと深いところもある。海、というか水中が苦手な私にはまぁまぁダメージがあるが、タコを捕るためなら耐えて見せる。

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朝日はよい。夕日より好きだよ。

昨日より更に早いスピードで移動しながら、岩の周りを刺していく。
「まだ誰も刺してない場所に先に移動したほうがいいよ」という玉置さんの助言を受け、誘導してもらいつつタコ捕りを続ける。 昨日より積極的に行かねばならないのに、ぼーっとする。唾を飲み込むと痛いな。昨日より随分集中力が持たなくなっていた。 もたもたしている間に、またしてもタコが捕れていないのは私とさのくに氏のみになってしまった。

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朝日に照らされながらのタコ捕り。

念願のタコの感触

すっかり集中力が切れてしまい、だらだらと大きな岩の影をつついていた。よっこらせ、竿を持ち上げようとすると重い感触。 ぼろ雑巾・・・??いや、タコだ!プチっと吸盤が外れる感触が竿に伝わってきた!タコだタコだ!!
興奮しすぎて竿からタコが離れてしまった。でも遠くへは行っていないはず。カギを持って近くにいた玉置さんをすかさず呼んで、タコがいたんですよと訴える。

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ここに!ここにタコがいるのです!という図。

「まだ、いますよ。」
私の濁った目には見えなかったのだが、タコはまだ同じ岩の下にいたようだ。玉置さんにカギでタコを引き上げて貰い、受け取る。

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タコを玉置さんから受け取る

おぉ、この手に粟島の生きているタコが・・・!感動するかと思いきや、タコを手に乗せているという事実に頭が全然追いつかない。ボーっとしていた。念願のタコだというのに何も言葉が出ない。

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念願のタコの感触!!

タコをしっかり持ちなおそうとしたその時・・・・!なんとタコは海へとダイブ。
竿なんて一時的にその辺に置けばよかったのだが、律儀に手に持ったままにしたのが良くなかった。 周りの方々も一緒に探してくださったが、もうタコは姿を見せてくれなかった。

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そしてリリースへ

本当にわずかな間の出来事だった。私の手にタコが乗っていたのは10秒くらい。あっという間に去ってしまった。 小さいけれど筋肉質で、吸盤がプチプチして、ぬるりと手をすり抜けて、いなくなってしまった。

悔しいというより、ただ茫然として、そして折角タコを引き上げてくださった玉置さんに申し訳なく、そこから一気に気持ちのスイッチが切れてしまった。 今までアドレナリン効果でマスキングされていた身体の不調が一気に主張してくる。あらゆる関節と喉が痛い。 でも朝食の7時まではまだ時間がある。昨日の大会と同じポイントへ移動して、そこへ望みをかける。

さのくに氏の快挙

もう体が思うように動かなくなってきたころ、今日もまたほったらかしにしていたさのくに氏に何やら動きが。

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まさかの。

「捕れたよ~」と爽やかな笑顔のさのくに氏。先越された。
あーあ。さのくに氏よりたくさん捕って、格好いいところ見せたかったのに。なんやかんや器用なんだよな。 といっても実はこの1匹は同じ宿の方に見つけてもらって、捕らせてもらった模様。私のは自分の竿にちゃんと乗ってきたもんね。 まだ引き分けくらいよ。ふん。

とか何とか言っているうちに、さのくに氏もう一匹GET。
今度は自力で捕ったらしい。 「おめでとう」と声をかけるも、「心がこもってない」という突っ込みを受ける。

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愛らしい瞳。オレンジ色の水管がおしゃれだね。

これは悔しいぞ。残り時間で何とか巻き返さねば。身体の痛みが引いていく。
さのくに氏はここぞとばかりに煽ってくる。
「タコ捕りのコツがわかってきたなぁ。ハハハハ。」
「まいけるちゃんはタコのこと好きなのに、タコからは好かれてないみたいだね?」

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煽られながらタコを探す。

さのくに氏の煽りのおかげで少し元気を取り戻し、またタコを探し続けたが残酷にも時は過ぎ、朝食の時間になってしまった。 さのくに氏はあの後もう1匹捕って、合計3匹のタコをGETした。 タコは宿でおかみさんに渡し、冷凍しておいてもらう。

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捕ったタコを誇らしげに見せびらかしてくる、さのくに氏。

宿へ帰ると、豪華な朝食が用意されていた。わっぱ煮という粟島の伝統料理は見た目がかなりインパクトがある。 焼いた魚と味噌、水などをまげわっぱの中に入れて、そこへ熱した石を投入。ぐつぐつを煮えたぎったところで完成、というものである。 味は見た目のワイルドさと裏腹に、魚の出汁がしみじみ美味しい、ほっとする味だった。

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わっぱ煮という名物料理。アツアツで美味しい。

朝食を終えると、チャンプ達はなんと、またタコ捕りに出かけて行った。 凄いなぁ。私はもう風邪と疲れでゾンビのようになっていたので、しばらく宿で眠った。

粟島一周サイクリング

薬を飲んでひと眠りしたら具合が良くなってきたので、お出かけすることにした。 今日は天気も良いし、思い切り島の様子を満喫するぞ!

レンタサイクルを借りて島を一周してみることに。
受付のおねえさんに聞いてみると、普通の自転車と電動アシスト付き自転車が選べるという。普通のは3時間まで500円。電動アシスト付きは3時間1,500円。 3倍も違うのか。元気溌剌だったら普通のを選ぶところだけど、坂がかなり多いと聞くし、体調的にも無理が出来ないので電動アシスト付きをチョイスした。

これが大正解。二人とも電動アシスト付き自転車に乗るのは初めてだったのだが、あまりの快適さに大興奮。 軽くペダルを踏むだけで、ぐいぐい進む。見えない妖怪か何かが背中を押してくれているような感じ。坂道も楽々だ。「うひゃー!」と叫びながら出発した。 奇声を上げても、まわりに全然人がいないので恥ずかしくない。

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運動が苦手なさのくに氏にピッタリ。

島の外側をぐるりと一周するコースには、眺めの良い場所に展望台が作られており、美しい粟島の海を各所から眺めることができる。 車もほとんど通らないので、とても走りやすい。この日は気温もちょうどよく、風が心地よかった。

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内浦から北回りで島をぐるりと一周。

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説明不要の美しさ。

それにしても坂が多い。噂には聞いていたけれど、ほぼ平らな道はないのではないか、というほど。 その上、勾配がかなり急だ。電動アシスト付き自転車にして本当に良かった。 さのくに氏は体重のせいなのか、険しい坂道では電動アシストにもアシストしきれなかったようで、結局自転車を引いていた。(私はスイスイ登れた。) ダイエット頑張ろうね。

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こんな坂ばかり。

昨日は肌寒かったけれど、坂を上り下りしたこともあり、うっすら汗ばんできた。そろそろお昼にしよう。 我々がタコを捕った内浦というあたりからちょうど反対側、釜谷というエリアにある、「かもめ食堂」にお邪魔した。 「海そうめん」というメニューがあったから、てっきりアメフラシの卵かしらと思って食堂のお母さんに聞いてみたら、海藻だという。 「なかなか取れない、珍しいんだよ~」ということで、頼んでみた。
鮮やかな翡翠色。湯がいたのだろうか?聞けばよかったな。酢味噌につけて食べてね、とのこと。 癖のない味と香りで、食感がとても面白い。ツルツル、ジャキジャキ。その辺で採れるなら、是非採って食べたいというくらいには好きな味だった。

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不思議な海藻、海そうめん。

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サザエやタコ入りの磯ラーメンも食べた。

腹ごしらえを済ませて、今度は島の南側を通りながら内浦まで戻る。 こんなに静かなところへ来たのはとても久しぶりのような気がする。左手に森を、右手に海を見ながら、どこまでも走り続けられそうな気分だ。

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どこからでも海が見える。島だから当たり前なのだけれど。

勾配がやや緩やかなエリアでは、カマキリがアスファルトの上にたくさん落ちていた。 ここにいると轢かれますよ。しばしカマキリ拾いタイムを設けて、カマキリを草むらへ帰して遊んだりした。

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カマキリ拾い放題。

たっぷり休憩と寄り道をして、ちょうど3時間で島を一周できた。 普通の自転車で1周3時間と聞いていたが、体感した限りではなかなか難しそうである。電動アシスト付きで本当に良かった。(二度目。)買おうかな。

さよなら、粟島

お土産を買って、荷詰めをしたらもう、高速船が出る時間。
タコは捕れなかったけれど、初めての体験をたくさんさせてもらえた粟島。来年も必ずここへ来ることを誓った。 今度こそ、タコ捕り大会優勝を目指す。島の探検もまだまだしてみたいし。 お世話になりました。ありがとう。

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粟島流のお見送り。大漁旗を振ってくれる。

おまけ

一日目の夕方、ろうと雲という珍しい雲を見た。

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温泉へ向かいながら見かけた、ろうと雲。