新型なんとかのせいで、否応なしに自宅で過ごすことを迫られる毎日だ。暇なので行けない旅行の計画を脳内で立ててはため息をついている。今年は特に函館に行きたかったんだよな・・・。初夏のイカ漁解禁、真夏のいか踊りに秋のいか祭り、冬の初めは函館イカマイスター試験。どれに合わせていこうかワクワクしていたのに。せめて旅行気分だけでも味わおうと、お取り寄せに手を出してみた。
取り寄せたのは、「はこだて柳屋」さんのイカ菓子2種。以前から知っていた「いかようかん」に加え、今年出た新商品「いか五郎商店」も一緒に注文。どちらも開けて楽しい、食べて美味しい最高のイカ菓子だったので、特に頼まれたわけでもないが宣伝しておく。
ぎょっとするほどリアル、職人手作りのいかようかん
1997年に発売されて以来、その異様な見た目で耳目を集めているのがこの「いかようかん」だ。
「生採れたて一パイ入」「けっして刺身にしないで下さい」という菓子とは思えない文言が並ぶパッケージが期待を膨らませてくれる。
▲「生菓子」の文字が意味深
側面はこんなかんじ。「いが~ いが~」というのは函館の朝の音だ。函館では早朝に採れたてのイカを乗せて売る冷蔵庫付き軽トラが走り、拡声器で「いが~ いが~」とその存在を知らせるという。私もまだ出会っていないのだけれど、次函館へ行くときは頑張って早朝に起きてイカ売りトラックを探し、朝イカを買いたい。
▲函館ではイカは朝に食べるもの(採れたて透明のものしか食べない)とされているらしい
包装紙を取り去ると、妙にリアルなイカの絵が現れる。イカ好きとしてはヒレの付き方がおかしい(側面から生えてる)のと、腕が8本しかないのが気になるが、多分場所柄スルメイカをモチーフにしていると思われる。よく見たら触腕が出ている位置や吸盤も怪しい。
▲本物と違うイラストはそれはそれで味わい深くて好き
イカのイラストは蓋状になっており、パカッと開くとあらびっくり。函館の夜景が現れる。イカ好き以外の人にとってはこちらの方が函館のイメージに合っているのかな。飛び出すイカのイラストもかわいい。
▲このイカは腕がちゃんと10本ある代わりに、すごくデフォルメされている
たっぷりパッケージを味わってようやく中身を取り出す。ぎゃっ。ビニールに密閉された火星人。いきなり目が合うのも怖い。そう、いかようかんはイカが含まれているようかんではなく、イカの形を模したようかんなのだ。
▲知っていてもぎょっとする
ギチッと箱に詰められたイカの姿が恐ろしくもどこかおかしい。クロスした2本の腕がなんとなく恥ずかしがっているようにもみえる。それにしてもリアルだ。
▲きゃー見ないでー
バンザイポーズで皿に出してみた。美しい函館の夜景との対比がすごい。体色的におそらくは興奮したスルメイカをイメージしていると思われる。
アップでもどうぞ。目玉が怖いよ。でもスルメイカって開眼目だから確かにイメージ的にはこんな感じ(実際は瞼あるけど)。
外套膜や頭、腕はすべて薄いようかん生地で作られている。これは職人の方が手作業で作っているとのこと。公式の動画を貼っておく。吸盤一つ一つを絞り出しているのか。すごい。めちゃめちゃ工場見学したい。
いかを作っています(物理)
— はこだて柳屋【公式】🦑🍎❄️ (@YANAGIYA0989) May 22, 2020
※ようかんです pic.twitter.com/b7YN9fdBRO
内臓ごと輪切りにしてみた。ゲソを添えて。切るときの罪悪感がすごい。
このお菓子は三層構造。外側からようかん、餡、求肥の順だ。ねっちりしたようかんを噛むとなめらかな餡が現れ、中央の柔らかな求肥に到達する。食感の違いが楽しい。3つの素材のハーモニー。そして意外なことに餡がコーヒー風味なのだ。緑茶にもコーヒーにも合う不思議な和菓子である。ゲソの部分は少し干したようかんの食感で、これはこれで好き。
甘党でない私でもすいすい食べられた。見た目のインパクトといい、味といい、函館に行ったらこれは買わねばならないお土産である。通販もやっているので、気になった人は取り寄せるといいでしょう。ただちょっと賞味期限が短いので、そこだけ注意である。
パッケージで遊べる、いか五郎商店
続いては、今年新発売された「いか五郎商店」という不思議な名前のお菓子だ。「イカゴロ」と「いか五郎」をかけたのであろうことまではわかるが、「商店」はどこから来たのか。ぜひインタビューして聞きたいところである。
▲レトロ風のパッケージが逆に今っぽい
箱の裏側を見ると、「OPEN」の文字が。どうやらここから開けるらしい。
切り込みに沿って箱を開けていくと、その先にはイカが!イカ釣りを体験できるギミックがついていた。なんて可愛いの。
可愛いイカが釣れたよ。子供と一緒にやると楽しそう。
▲でもこのイカ、腕が9本、もしくは11本あるようにみえるんだけど気のせいかね
中は便利な個包装。人にも分けやすくていいですね。袋もお洒落だ。
袋を開けると、ころりとしたフォルムの手乗りイカ最中が現れた。これ、さっきのパッケージで釣れたイカと同じだ!
裏側は最中ではなくクッキー生地だった。香ばしい香り。
ガブッと齧ると、表面はサクッとした最中、裏はザクっとしたクッキー、中は濃厚なチョコクリームと情報量が多いひと口。いかようかんもそうだけれど、柳屋さんは色んな食感を組み合わせて一つのお菓子に仕上げるのが得意なのかもしれない。甘さも控えめでとても美味しい。見た目は和菓子なのに、中は洋菓子というギャップもいいね。
▲チョコクリームはイカゴロの色をイメージしてるのかな
いかようかんと同様、イカをモチーフにしているけれど、いか五郎商店は人にも配りやすいし、今風のお菓子って感じ。軽いお茶請けにもいいですね。賞味期限も長くて安心。
これもネットで取り寄せができるので、いかようかんと合わせて買ったらいいですよ。
函館チョコレート最中 いか五郎商店 6個入 | はこだて柳屋 ショッピングサイト
以上、はこだて柳屋さんの「いかようかん」と「いか五郎商店」の紹介でした。いつか開発秘話とか取材したい。函館行きたい。