家系ラーメンを食べる際には1/2の確率で海苔増しにしてしまう、まいけるです。 おやつに板海苔をむしゃむしゃ食べちゃうくらいには海苔好き。
趣味の製麺6号を読んでいたところ、 どうやら東京湾で海苔が採れるところがあるらしい。(※漁業権に注意) 機会があったらやってみたいなと思っていたら、こんな呟きを発見した。
お知り合いで海苔摘み行く人いますか。日曜昼。千葉某所。寒い。辛い。滑る。遠い。中止したらごめん。
— 玉置標本 (@hyouhon) 2018年1月31日
寒い・辛い・滑る・遠いの四重苦ですか、そうですか。 でも平気だよ。海苔のためならエンヤラヤ。やってやろうじゃないですか。ご一緒させていただくことにした。 (実際に行ったのは2月の初め。書くのが遅くなってしまった。)
海苔を摘みたくてウェーダーを買う
海苔が採れる場所は滑るし水もかぶるので、長靴 or ウェーダーが必要とのこと。 今年は水辺にカメでも探しに行ってみようと思っており、もともとウェーダーを購入する予定があったので早速Amazonでポチリ。
ウェーダーとは「腰や胸まである長靴」と言えばわかりやすいか。胴長ともいう。 渓流釣りをする方にはおなじみの装備のようだが、私は昨年初めて名前を知った。
着てみるとこれが凄く格好いいんだ。 急に玄人っぽくなるでしょう。意味もなくこの格好でその辺を歩きたくなる。
他に特別な装備は不要とのことだったが、 ウェーダーを着てウキウキの私は海苔摘みに向けて「ちょっとした支度」をしつつ、当日を待った。
今回私が買ったのはこちら(↓)。 ウェーダーは素材や丈、ソールなど用途や季節によって適したものが変わってくるそうなので、 購入の際、そこら辺は各自よくご検討ください。
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海苔を摘む
さて、当日。自宅から電車で2時間以上かけて、海苔ポイントへ向かう。 ウェーダーって着る分には格好いいけど、持ち歩くには重くてかさばるんだな。 30Lの登山用リュックに詰めたら7割くらいウェーダーで埋まってしまった。
登山用のレインウェアに登山用リュック、足元はただのスニーカーという全然わかってない登山初心者みたいなチグハグな格好で電車に乗るのは恥ずかしかった。向かっているのは海なのに。 その上、レインウェアが紫、リュックが黄緑という毒虫みたいなカラーリングである。目立つ。そんな色の虫、見たことはないけど。
道行く人の視線を浴びながらたどり着いたのは、案内してもらわなければ自分で来ることはおよそないだろうという感じの場所である。 眼前に広がる海。足元にはテトラポッド。ここに海苔が生えているのか。
早速ウェーダーに着替える。 着替えるといっても、靴を脱いでズボンの上から履くだけなので簡単。 ウェーダーにちょちょいとアイテムを付けて・・・
ジャーン。 これがせっせと準備した「ちょっとした支度」の全貌だ。率直に言って、ダサい。 利便性はともかくデザイン性は最悪である。 海苔を入れる用の洗濯ネット、ゴミその他を入れるゴミ袋、襟元にはタオルをカラビナで装着。 隠れて見えないウェーダーの内ポケットには、使い捨てニトリル手袋が3組入っている。
足元が悪いであろう場所で両手が空くように考えた。本当に便利だったかどうかは後述。 誰かに突っ込んでほしかったが、同行の方々は皆さん寡黙な方だったからか、特にコメントはなかった。
着替え終えたらさっさと海へ。 aikoの歌ではテトラポッドを登って宇宙に靴飛ばしていたが、我々はテトラポッドを下って海で海苔を摘むのだ。
おっとっと。 不安定で滑る足元にへっぴり腰になってしまった。仕方ないので這うようにテトラを降りた。 心は少年でも体は青年を通り越して中年である。今年は体幹鍛えよう。
おそるおそる波打ち際まで下りてみると、黒いものがびっしりテトラに生えている。 これが海苔か。生えているのは初めて見たよ。 黒々と湿って艶があり、もしこれが頭髪だったら見事な緑の黒髪といったところか。 テトラさんには申し訳ないが、この美しい御髪をむしり取らせていただきます。
掴んでみると、凄くしっかりした触り心地。 勝手なイメージだが海苔ってもう少しフワフワと頼りない感じで生えているのかと思った。多分「苔」という字面のせいだな。 本当は半乾きの方がぺりっと剥がせて摘みやすいそうだが、待てど暮らせど乾かないので濡れたまま無理やりむしる。
濡れているので滑るが、摘めないこともない。 テトラにくっついているのは根本だけなので、頑張って引っ張ればプチっと取れる。
摘んだ海苔を海水で洗ってひとかじり。 海水味の中にほのかに海苔の風味がする。食感は噛むたびにジャキジャキという歯切れ良い繊維感。生のままの海苔を食べたことがないので、そういうものかなと思ったらどうやら違うらしい。 ここの海苔は少し育ちすぎらしいとのこと。 以前、玉置さんが海苔摘みをしたときは、もう少し若くて柔らかかったそうだ。 私は結構この歯ごたえも好きだな。
海苔がどれだか分かったら、後はひたすら摘むだけ。 皆、黙々と摘んでいく。この日は、連日の寒さが嘘のように暖かく潮風も気持ちが良かった。 合間に水平線をぼんやり眺めたりして、海辺の空気を満喫。
無心になれる貴重な時間だ。ずっと摘んでいたい。 夢中になると周りが見えなくなりがちだが、「ウェーダーで転倒して中に水が入ると起き上がれなくなって死ぬ」という恐ろしい情報を聞いていたので、 万が一のことを考え、安定した姿勢で摘むことと同行の方から離れないことに注意しながら摘んだ。
それにしてもウェーダーの無敵感がすごい。 水中に足を突っ込んでも全然平気だし、尻もちをついても厚手の防水生地で守られているので尻が濡れない。痛いことは痛いけど。 私が子供だったら、深めの水たまりに手当たり次第ダイブしているところだ。これからもウェーダー、どんどん使っていきたい。
摘んだ海苔は洗濯ネットに入れていく。 チャック付きでこぼれる心配がないしそのまま絞れるし、ここまでは私の計算通りだったのだが、 海苔が重くなってくるとネットが股まで垂れ下がって歩きづらくなってしまった。 欲張って大きなネットにしたのが悪かった。次回はコンパクトサイズを選ぶとしよう。
たまに大きな波が打ち寄せてくることもあり、タオルも役にたった。 防水ではないカメラで撮影しながらの活動だったので、手拭きにも欠かせない。
ゴミ袋はぶら下げておく必要はなかったな。見た目も悪いしガサガサうるさいので、内ポケットに入れておくだけでよい。
そんなこんなしているとあっという間に2時間が経過。 ここらへんで引き揚げだ。
フレッシュ海苔らーめん
海苔もたっぷり採れて大満足、ウェーダーを脱いでのびのびしていると、玉置標本さんが車から何やらごそごそと持ってきた。 なんと、フード付きのカセットコンロに鍋、そしてサッポロ塩らーめん。 摘んだばかりの海苔をらーめんに入れて食べようということらしい。それ、最高じゃないですか!
摘んだ海苔を綺麗な真水で洗い、出来上がり寸前のサッポロ塩らーめんに投入。 スープの素を加えてひと煮立ちさせたら完成だ。
潮の香りと海苔の歯ごたえが楽しいし、自分達でまさに今摘んだ海苔というのがうれしい。アウトドアラーメンいいな。ごちそうさまでした。
海苔を摘んで料理して食べるところまで体験させてもらい、大変楽しい一日になった。ありがとうございました。 次回はこの海苔を板海苔にする話を書くとしよう。